お食い初めとは、赤ちゃんにはじめて食べ物を食べさせる儀式です。読み方は、「おくいぞめ」と読みます。
赤ちゃんの乳歯が生え始める生後100日頃に行われ、「一生食べ物に困ることがないように」という願いを込めて、鯛の尾頭付きの塩焼きや、赤飯などをお祝い膳として用意し、食事の真似事をしてお祝いをします。
お食い初めの料理は、一汁三菜が基本で、赤飯や汁物、尾頭付きの魚、煮物、タコや梅干し、勝ち栗などを盛り付けます。
お食い初めの献立・メニューそして、祖父母などの親族のうち、年長者が(長寿にあやかるという意味合いで)赤ちゃんの口に箸で料理を運んで、食べさせる真似をします。この食べさせる役目の人のことを「養い親」と呼んでいたそうです。男の子ならおじいちゃん、女の子ならおばあちゃんが食べさせるのが正式です。
赤ちゃんと赤ちゃんの両親のみで行う場合は、どちらの親が養い親の役をやってもよいでしょう。
赤ちゃんに丈夫な歯が生えるようにという願いから、祝い膳に「歯固め石」を添えることもあります。
100日目に祝うことから「百日祝い(ももかいわい)」とも呼ばれます。
儀式を行う日取りは、男の子は生後100〜130日目、女の子は早く台所仕事をするようにという意味合いで、100〜110日目と少し早めになっていますが、きっちり守らなくても問題はありません。
お食い初めの歴史
平安時代には、お食い初めのルーツとなる儀式が行われていたと言われています。その当時、宮中で行われていた生後50日を祝う「五十百日之祝儀(いかももかのしゅうぎ)」「五十日の祝(いかのいわい)」という儀式が由来とされています。
この儀式は、皇室で現在も「箸初の儀」として行われています。2007年には、秋篠宮ご夫婦の長男悠仁様の箸初の儀が、東京・元赤坂の秋篠宮邸で行われました。
平安時代は、重湯の中にお餅(五十日の餅)を入れて、そのお餅を赤ちゃんの口に少し含ませるというものでした。そこからお餅が魚に変わり、現在のお食い初めの形になったと言われています。
はじめて箸を使うことから「箸初め(はしぞめ)」「箸祝い(はしいわい)」「箸揃え(はしぞろえ)」、またはじめて魚を食べることから「真魚の祝い(まなのいわい)」などとも呼ばれることもあります。
お食い初めの様々な呼び方
お食い初めには、いくつかの別名があり地域によって呼び方や祝い方が異なることもありますが、赤ちゃんが一生食べ物に困らないように、長生きできますように、という願いは変わりません。
難しく考えすぎずに、御馳走を準備して赤ちゃんの100日の祝いを盛大に行ってあげましょう。