祝い箸の特徴と由来について
祝い箸は、お食い初めだけでなくお正月や結婚式など、おめでたい席で使われる縁起の良いお箸です。
柳の木で作られていることが特徴で、両端が細くなっている形から「両口箸」や「俵箸」と呼ばれることもあります。
柳は常緑樹で枯れないことから縁起が良く、非常に丈夫でもあることから、大切なお祝いの席で万が一お箸が折れることのないようにという意味で祝い箸に使用されます。
また、柳の香りと白い色は邪気を祓って長寿をもたらすとも言われています。
祝い箸の長さは末広がりで縁起が良いと言われる「八」にちなんで、八寸=約24cmです。
祝い箸は必ず箸袋に入れます。
箸袋は「寿」などの文字や水引がついている華やかなもので、たいていは祝い箸とセットになっています。
箸袋がない場合は、折り紙や千代紙で簡単に手作りするのも良いですね。
お食い初めでの祝い箸の使い方
お食い初めは赤ちゃんの生後100日に「一生食べるものに困りませんように」という願いを込めて行う儀式ですが、赤ちゃんにとって初めてのお膳であり、初めてお箸を使うことから「箸揃え」「箸立て」「箸初め」と呼ばれることもあります。
お食い初めでのお箸は、赤ちゃんの口に初めて食べ物を運ぶときに使う大切なものですので、やはり縁起の良い祝い箸を使いたいですね。
お食い初めの祝い箸は全員分必要?
お食い初めでは、赤ちゃんの口に食べ物を運ぶために祝い箸を用意しますが、祝い箸は家族全員分必要なのでしょうか?
儀式として赤ちゃんの口に食べ物を運ぶのはその場にいる最年長者の役目です。ですので、基本的には祝い箸はその一膳だけでよいのですが、お食い初めといえば祖父母や親せきを招くことも多く、そのままみんなでお食事をとるという流れが一般的です。
せっかくのお祝いの席ですので、全員分の祝い箸を用意して、それでお食事をできれば良いですね。多めに用意して余ってしまっても、またお正月や、お祝いごとの際に使えるので、無駄になることもありません。
お食い初め儀式での使い方と注意点
祝い箸は両側が細くなっていますが、これは片方は神様が食べるため、もう一方は人間が食べるためです。神様と一緒に祝い膳をいただくという意味が込められており「神人共食(しんじんきょうしょく)」といわれます。
両端が細くなっているとはいえ、向きを変えて取り箸にする事は厳禁です。また、箸袋を折って箸置きにするのもマナー違反ですので注意しましょう。
祝い箸の先端を汚すのは良くないとされ、箸の先から一寸(約3cm)のところを使うのが正式なやり方ですが
どうしても難しい場合はあまり気にしすぎず、丁寧に扱うように心がけるだけでも大丈夫です。
お食い初めの儀式では、お料理をお箸にとって赤ちゃんの口まで運びます。生後100日ではまだ離乳食も始まっていないので、本当に食べさせる必要はなく、唇に当てる、または口の近くに持っていくだけでかまいません。
正式には口に運ぶ順番もこのように決まっています。
お赤飯→お吸い物→お赤飯→焼き魚→お赤飯→お吸い物→赤飯→煮物→赤飯→お吸い物→赤飯→酢の物→赤飯→お吸い物→赤飯→歯固めの石→赤飯→お吸い物→赤飯
歯固めの石は、箸先を石につけて「石のように丈夫な歯になりますように」と願いを込めてから、その箸を赤ちゃんの口元や歯茎にそっとあてます。
歯固め石を直接赤ちゃんの口に触れさせても良いです。
全て正しい順序にやろうとするととても長くなりますので、赤ちゃんの機嫌次第で簡略化しても問題ありません。赤ちゃんの様子を見ながら、家族みんなで今後の成長を願いましょう。
祝い箸はどこで入手や購入するもの?
一般的には、お宮参りの際に神社から祝い箸や歯固め石をいただくことが多いです。もちろん神社によって違いもありますし、地域によっては祝い箸を含めたお食い初めの祝い膳一式を母方の祖父母が贈る風習もあるようです。
自分で用意する場合には、百貨店や通販で購入するのが確実です。西松屋やトイザらスなどの子供用品店より、最近では百均に置いてあることも多いです。
お正月の季節にはスーパーにもたくさん並んでいますので、少し早めでもお正月の機会に多めに用意しておくのも安心かもしれません。
祝い箸の処分の仕方について
お食い初めのあと使い終わった祝い箸はどのように処分すれば良いのか、少し困ってしまいますよね。やはり縁起ものですので、普通にゴミ箱に捨ててしまうのはあまりよくありません。
本来ならば神社などに持って行ってお炊き上げしていただくのが良いとされていますが、難しい場合には、塩で清めてから白い紙に包み、紙袋やビニール袋に入れて他のゴミとは別にして可燃ごみに出すようにすると良いでしょう。
お食い初めだけで祝い箸を使い捨てにしてしまうのはもったいないという意味でも、最近ではこの機会に名前入りのマイ箸を購入するという方も増えてきました。
名前入りの檜のお箸などを用意し、それをお食い初めに使って、赤ちゃんがお箸を使う年齢になるまでとっておくというのも良いですね。