お食い初めの儀式で、尾頭付きの「鯛の塩焼き」は定番の献立。
昔から、紅白の尾頭付きの鯛は縁起物とされてきました。「めでたい(鯛)」の語呂合わせもわかりやすく縁起が良いですね。
鯛は、その姿の美しさと味の良さからお祝い事の席で出されます。また、鯛は他の魚よりも長生きすることからも、お食い初めにはぴったりの魚です。
しかし、鯛を調理したことがない人にとっては、「どうやって飾り付けするの?」「焼き方がわからない」などの悩みもあると思います。
そこで、今回はお食い初めで準備する「鯛の焼き方」や「盛り付け方法・飾り付け方法」を解説します。
鯛の塩焼き・赤飯・はまぐりのお吸い物・酢の物などを準備して、赤ちゃんが一生食べることに困らぬように願いましょう。
鯛は真鯛を選ぶのが一般的
鯛と言ってもたくさんの種類がいます。「◯◯タイ」と付いている名前のものでも300種類以上。
しかし、日本で確認されている正真正銘のタイ科の鯛は13種類しかいません。その中でも、お食い初めなどのお祝い事で用いられる鯛は「真鯛」が一般的。
真鯛は天然、養殖とどちらも美味しいです。これはどちらでもOK。養殖の真鯛も脂がのって美味しいですが、本当に美味しいのは天然とよく言われています。
鯛は、20年以上生きている体長1m以上のものもいますが、あまり大きいサイズだと味が落ちます。一番美味しいサイズ感は40cm〜50cmくらいのものです。
確実に鯛を手に入れたい場合は、前もってスーパーなどで予約ををしておくのがおすすめです。天然物の鯛を用意したい場合はネット予約の方が確実。
鯛以外の魚でもいいの?
七福神の恵比寿様が釣るので「目出度い(めでたい)」ことから、古来からお祝い事といえば鯛ですが、他の魚で代用しても大丈夫です。
予約を忘れてしまったり、スーパーで売り切れていて鯛が手に入らなかった場合は、別の魚を用意しましょう。
例えば、サンマやアジ、カレイ、キンメダイ、カサゴやししゃも、ノドグロなどで代用するご家庭もあります。
中には、たい焼きをお食い初め膳の横に置かれたなんてケースも^^
お食い初めはあくまでも、「赤ちゃんをお祝いしてあげる」という気持ちが大事。魚にこだわりすぎず、楽しくお祝いしてあげましょう。
お食い初めの鯛の調理方法
鯛の尾頭付きの塩焼きは、作業としてはウロコを取り、内臓を処理して、塩を振り焼くだけと簡単です。
しかし、それぞれの調理にポイントがありますので解説していきます。
ウロコを取る
まずは、鯛のウロコを取っていきます。ウロコが飛び散らないように鯛にビニールを被せて行うとキッチンが汚れずにすみます。
尾の方からウロコ取り器でこそげ落とします。ペットボトルのキャップを使っても綺麗に落とせます。
表面と裏面のウロコを丁寧に落としていきましょう。背ビレの付け根などは特に丁寧に取ることを意識しましょう。
エラや内臓の処理
エラ蓋を持ち上げて、包丁を差し入れてエラの根元を断ち切ります。反対側も同様に切り離すと内臓の一部と一緒に取り外せます。
エラ蓋の一番下の部分から包丁を入れ、お腹から肛門まで切ります。片側を持ち上げるようにして、内臓を包丁でかき出します。
内臓が取れたら、お腹の内側についてる血合いを水でよく洗い流します。ここに内臓や血が残っているとにおいが残るので丁寧に処理しましょう。また尾頭付きで焼くので、うっかり頭を落とさないように気をつけて。
鯛に塩を振る(化粧塩も)
鯛の下処理ができたら、全体に塩を振っていきます。塩は高い位置から全体に振りかけるのがポイントです。塩は天然の粗塩がおすすめです。
塩を振ることで、魚から水分が抜けて旨味が凝縮されますし、においも抜けます。塩を振ったら1時間〜2時間程度寝かせて水分を抜き、その後水分を拭き取ってから焼きます。
また、ヒレの部分は焼くと焦げて崩れてしまうので、化粧塩(飾り塩)をしておきましょう。加えて、アルミホイルで包んで焼くとバラバラになりにくいです。
姿焼きにする
準備ができたら、オーブンやグリルで焼いていきます。焼き網を熱して、最初に盛り付けるときに表面になる方を中火でじっくり焼いていきます。
綺麗な焼き色がついたら裏返して、中までしっかりと火を通します。(10分程度じっくり焼く)
お食い初めの鯛の飾り付け
鯛が焼き上がったら、お皿に盛り付けていきましょう。
尾頭付きの魚は、頭が左側、尾が右側、お腹が手前を向いているのがマナーとなります。
盛り付ける食器
尾頭付きの魚は大きいので、大きめの食器を準備しておきましょう。大皿でもいいですし、お盆や竹で編んだ籠を使っても雰囲気が出ます。
お祝い膳が漆器ですので、それに合わせて漆器のお盆を使えば統一感も出ると思います。ただ、盛り付ける食器に決まったルールはありませんので、ご自宅にあるちょうどいい食器を使いましょう。
鯛の姿焼きはメインの料理ですので、豪勢に盛り付けてみてください^^
鯛を引き立てる掻敷
掻敷とは、料理を盛る器に敷く「木の葉」や「和紙」の総称で、食器がなかった時代は木の葉などに料理を盛り付けていた名残りと言われています。
一番ポピュラーなもので言えば、百均などでも手に入る和紙などの敷き紙を大皿の上に敷き、その上に鯛を盛ります。
他にも、笹の葉やゆずり葉、かしわの葉などを敷くのも見栄えが良くなります。また、その他にも飾り小物(水引や飾り紐など)を添えると、素敵な鯛の姿焼きの完成です。
これも、ルールに縛られずに、お食い初めを楽しむ意味でも可愛く綺麗に盛り付ければOKです。
お食い初めの残りを使った鯛レシピ
お食い初めで使った鯛の塩焼き、そのまま家族で食べてももちろんいいのですが、少しアレンジして美味しくいただくのもおすすめです。そこで、残った鯛を使ったレシピをご紹介します。
鯛めし
- 材料
- 鯛の姿焼き(1匹)
- 米(2合)
- 生姜(1片)
- 昆布(10×10cm)
- 三つ葉や細ネギなど
- 調味料
- 塩(小さじ1/3)
- 醤油(大さじ2)
- みりん(大さじ1)
- 酒(大さじ2)
- 水(適量)
- 作り方
- 米を洗って30分寝かせる
- 鯛の骨を取り除いてほぐす
- 炊飯器に米と調味料を入れて混ぜる
- 昆布とほぐした鯛を炊飯器に入れる
- 白米コースで炊く
- 炊けたら昆布を取り出して混ぜる
焼き鯛茶漬け
- 材料
- 焼き鯛の残り
- ご飯
- ぶぶあられ
- 海苔
- わさび
- 調味料
- だし汁(4カップ)
- 薄口醤油(大さじ1)
- 酒(大さじ1/2)
- 塩(少々)
- 作り方
- 鍋にだし汁と薄口醤油、酒、塩を入れてひと煮立ち
- 茶碗にご飯をよそう
- ご飯に焼き鯛をのせて海苔、ぶぶあられ盛り付ける
- 熱々のだし汁をかける