赤ちゃんの生後100日を祝うお食い初めで欠かせないのが「歯固めの石」です。お食い初めは「赤ちゃんが一生食べるものに困りませんように」と願う儀式ですが、生後100日はちょうど、赤ちゃんの歯が生え始める時期。
丈夫な歯が生えて、長生きできるようにという願いから、この時期に行われるようになった行事なのです。
この記事では、お食い初めの儀式に使う歯固め石について、由来や入手方法、使い終わった後について詳しく解説していきます。
歯固め石とはどんな石?
歯固めの歴史と由来
歯固め石の歴史は古く、平安時代初期に中国から伝えられたと言われています。紫式部の『源氏物語』にも記述が残っているほどです。
昔から歯は長寿の条件で、丈夫な歯は長生きの象徴でした。元々は大きな餅(鏡餅)を固めて新年を祝い、それを食べることが「歯固め」でした。そこから転じて、赤ちゃんの歯が生え始める時期に「歯固めの儀式」をするようになったと言われています。
赤ちゃんが噛んだりしゃぶったりして歯を固めるオモチャのことを「歯固め」というのも、丈夫な歯とともに健やかに育ってほしいという願いのあらわれですね。
歯固め石の個数は正式には3種類!
歯固め石は、正式には、黒・赤・白の3種類を用意します。ただ最近ではそれは難しいため、1~2個程度をお皿に乗せてお食い初め膳に乗せることが多いです。
個数は地域によっても違いがあるようなので、確認してみると安心です。大きさや形には特に決まりはありません。ご両親が気に入ったものを使うと良いでしょう。
丸い石やツヤのある石は見た目にもきれいで、歯固めの石としてよく用いられています。
歯固め石の入手方法
神社で授かる
歯固めの石は、お宮参りに行った際に神社で授かる(いただく)ことが多いです。
いただけなかった場合にも、相談すれば神社の境内の石をお借りできると思いますので、必ず神主さんに確認してから、境内の中にあるきれいな石を探しましょう。
お借りした場合は、お食い初めが終わった後には元の場所にお返ししておくのを忘れずに。
近所の河原などで拾う
家の近くに河原がある方は、そこからきれいな石を拾ってきてもかまいません。もしいろんな色の石があるようなら、正式なやり方にならって黒・赤・白の3種類の石を探してみても良いですね。
出来るだけ人が踏んでいない場所から、きれいな小石を選びましょう。お食い初めでは、歯固め石はお料理の近くに置きますので、拾った石はきれいに洗って、煮沸消毒しておくと安心です。
通販で購入する
最近ではインターネット通販でも歯固め石を購入することが可能です。
石だけで打っているというよりは、お食い初めの食器セットと一緒に販売しているところや、宅配のお食い初め膳と一緒に歯固め石をプレゼントしてくれるところもありますので、ぜひいろいろ探してみましょう。
歯固め石だけでなく食器やお食い初めのメニューも手配できると、当日は用意がとっても楽になるのでおすすめです。その分赤ちゃんの衣装や写真に時間をかけることもできますよ。
歯固め石は代用品を使っても大丈夫
歯固めの石を用意するのが難しい場合は、必ずしも石でなくても大丈夫です。
地域によっても異なりますが、よく代用品として使われるのは以下のものです。
タコ
栗
梅干し
碁石やパワーストーン
このように、こんな石を使わなければいけないという決まりは特にありませんので、ご両親の気に入ったものを歯固め石として使うと良いでしょう。
歯固め石の使い方
お食い初めの儀式では、まずはお料理を赤ちゃんに食べさせる真似をします。順番は「ご飯もの」→「吸い物」→「ご飯もの」→「魚」→「ご飯もの」の順に3回。
その後に歯固め石を使います。
以前は赤ちゃんの口に石を入れたり、噛ませたりしていたようですが、誤飲の可能性もあって危険ですので直接口に近づけるのはやめておきましょう。
お箸の先を歯固め石につけ「丈夫な歯が生えますように」と祈ってから、赤ちゃんの口元や歯茎にちょんちょんと触れるようにします。
お食い初めのやり方歯固め石は使い終わったらどうすればいいい?
お食い初めの儀式が終わった後、歯固め石はどうしたら良いのでしょうか。神社や河原のものなら、元の場所に返しておくと良いでしょう。お借りしたものでなければ記念として取っておくのもおすすめです。
大きくなったら、生まれた頃の話などを子供に伝える機会もありますので、そのときにみせてあげるのも良いですね。